こども料理塾 クックルー

こども料理塾クックルーのブログです。こどもがワクワクしながら料理を作ることで、大人になってから自立した生活をするために必要な教養やスキルを身につけちゃう*そんな場をつくっています。

障害のあるこども達ほど、火と包丁は危険だけど使った方がいい

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放課後デイサービス こども料理塾クックルーのGOさんこと五十嵐豪です。

放課後デイのクックルーはこどもがワクワク料理をしていたら自分らしく暮らす力を全部身につけられる障害福祉事業所です。

こども達と料理教室をするときによく見るのが、包丁や火を見たときに手を後ろに組むこどもがチラホラいるな〜というシーンです。

今日はそんな包丁と火の話です。

 

忙しい人は目次だけ読んでもOK

◆火と包丁は危険がある。ではその先に何があるか大人が答えられる?

ー火と包丁がどれだけ危険か大人が知らない

ー火と包丁を使うことで得られる23このこと

◆危険との関わり方は3つ。 想定と予防と対処

ー想定1>起きうることを全て想定する

ー想定2>想定について立場や価値観が違う人と意見交換する

ー予防1>適切に行動できるように教える

ー予防2>怪我の練習をする

ー予防3>壊れてもOKなお皿を使う

ー予防4>家族との情報交換やコミュニケーションを日常的に

ー予防5>危険の呼びかけに「タグ」を活用する

ー対処1>異変があったときにすぐに対処できる人員配置

ー対処2>問題が起きたときのコミュニケーションライン

ー対処3>怪我や病気が起きたときの提携医療・看護施設

ー対処4>危険があったときのこどもとの関わり

 

 

◆火と包丁は危険がある。ではその先に何があるか大人が答えられる?

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火と包丁は危険があるということをこども達に教えていますが、その先に何があるかを教えたことはありますか?

火と包丁は怖いもの、危険なもの、とだけ教えるとこどもはできる限り関わりたくないと感じてしまうかもしれません。

結果的に料理を他の誰かに依存することになったり、料理が自分ごとじゃなくなってしまうかもしれない。

それに料理だけで済まない、生活に欠かせない他の仕事も誰かに依存をつくってしまう「隙間」をつくりかねません。

これがこども達が大人になるにあたってどれだけ危険で、どれだけの損失があるのかを一緒に見ていきましょう。

 

ー火と包丁がどれだけ危険か大人が知らない

まずは火と包丁がどれだけ危険なものかを見ていきます。

火は何からでますか?

●ガスコンロ

●オーブントースター

●電化製品の電気回路からも火が出ることがあるかもしれませんね。

 

<質問>火が出るとどんな危険が想定できますか?そうなるとどんな影響がありますか。

何個でてきましたか?

*シンキングタイム〜♪(^o^)/

●火が燃え移って火事になる

ー燃えるということにフォーカスしてみると

家が火事になる、大切なものが燃える、家に帰れない、逃げられない人が死ぬ、大きな火傷を負う可能性があるなど

ーお金にフォーカスしてみると

燃えたものを新しく買わないといけなくなる、改装や建て替えが必要になる、資産がなくなるなど

ー二次的影響にフォーカスしてみると

隣接する家にも同等の被害が及ぶ、大騒ぎになる、損害がでる、多くの人が避難が必要、消防隊員が出動するなど

ー気持ちにフォーカスしてみると

悲しい気持ちになる、喪失感がある、罪悪感がある、損した気持ちになる、怖い、この先に不安、後悔が残るなど

 

●火傷する

ー外傷にフォーカスをすると

痛い、熱い、水ぶくれができる、跡が残る可能性がある、皮膚がただれる、医者が必要、治療費がかかる、患部をしばらく動かせないなど

ーこどもの気持ちにフォーカスすると

怖い、びっくりする、痛い、熱い、苦しい、後悔する、悲しい気持ちになる、もうしたくないと思うなど

ー親の気持ちにフォーカスすると

びっくりする、心配になる、慌てる、ドキドキする、後悔する、もうさせたくないと思う、何か対処してあげたい気持ちになるなど

ーこどものトラウマにフォーカスすると

熱い思いはもうしたくないと思う可能性がある、料理に怖い経験が残って遠ざかる可能性がある、 新しいことに挑戦すると危険・どうせ悲しい思いをする・後悔すると感じる可能性があるなど

 

●他人に火傷を負わせる

ー相手の外傷にフォーカスすると

痛い、熱い、水ぶくれができる、跡が残る可能性がある、皮膚がただれる、医者が必要、治療費がかかる、患部をしばらく動かせないなど

ー相手の気持ちにフォーカスすると

痛い、悲しい、熱い、苦しい、びっくりした、なんでそんなことするのと相手を責めたい気持ちになる、仕返ししてやりたい気持ちになる、やらなきゃよかったと後悔する、もうしたくないと思うなど

ーこどもの気持ちにフォーカスすると

びっくりした、申し訳ない気持ち、こんなに痛がるなんて背徳感、罪悪感、悲しい、苦しい、辛い、こんなはずじゃなかったのに、怖い、不安、責められないだろうかと防衛、もうしたくないと思うなど

ー親の気持ちにフォーカスすると

心配、不安、びっくりした、申し訳ない気持ち、苦しい、辛い、

ー相手がこどもだった場合、親同士の関係

ぎくしゃくする可能性、謝って許してくれるだろうか、疎遠になるかもしれない、相手の親にとっても申し訳ない気持ち、

ー相手のトラウマにフォーカスすると

熱い思いはもうしたくないと思う可能性がある、料理に怖い経験が残って遠ざかる可能性がある、 新しいことに挑戦すると危険・どうせ悲しい思いをする・後悔すると感じる可能性があるなど

ーこどものトラウマにフォーカスすると

相手に後ろめたく関わりにくくなる可能性がある、共同作業に関わりたくなくなる可能性がある、料理に怖い思いをするという潜在意識が生まれる可能性があるなどなど

ー親のトラウマにフォーカスすると

こどもに危険な場所にいてほしくないと危険から遠ざける可能性がある、うちのこどもは人づきあいや共同作業が苦手と感じ苦手意識を創作する可能性がある、こどもが成長して新しい挑戦をするときも止めたくなるような衝動が残る可能性があるなど

ー相手の親のトラウマにフォーカスると

◎◎ちゃんはおっちょこちょいだという刷り込みが起きる可能性がある、自分のこどもと◎◎ちゃんは危険があるときには一緒に進ませたくないと遠ざけたくなる可能性がある、一緒になにか挑戦するときに反対したくなる衝動が残る可能性があるなど

 

ざっと出してみましたが、もっともーーーーーーっと危険や影響はあると思います。

上記には103この影響を書きました。

あなたはどれくらい言えましたか?

思ったよりも影響がなかった?^^

大人がどれだけ危険を見ているか、影響を見ているか。

この探究がない状態でこどもに危険さをアナウンスしても、こどもには響きません。

 

探究が浅ければ、なんとなく危険なんだと認知して、いざやってみると想定外に取り返しのつかないトラウマが起きたり、事故につながったりするかも(Φ皿Φ)クワッ

探究が浅ければ、なんとなく危険である認知だけでしかないのでこどもは危険さにリアリティを感じることができません。では大人は力を使って”禁止”するほかない。

言葉が理解できる小学生が包丁を使う時になると手を後ろに組むのは、危険について探究の浅い大人から「なんとなく危険」を伝えられて”禁止”されているのが原因と僕は観ています。

覚えておいて欲しい、なんとなく危険を伝えることが一番危険です。

 

山って危険なんだよ。クマがでるかもしれないからね。

海って危険なんだよ。溺れちゃうかもしれないからね。

火って危険なんだよ。家が火事になるかもしれないから。

知らない人って危険なんだよ。君を誘拐しちゃうかもしれないから。

 

この伝え方がどれだけの危険と影響をつくるか、今日のブログではここには触れませんがどうですか?(´∀`∩

 

<次の質問>包丁を使うことでどんな危険がありますか?影響がありますか?

*シンキングタイム〜♪(^o^)/

●神経や臓器や首や腱など致命的な急所に外傷を負う

●他人の神経や臓器や首や腱など致命的な急所に外傷を負わせる

ー外傷にフォーカスすると

痛い、絶命のおそれがある、重体のおそれがある、元に戻らないかもしれない、寝たきりになるかもしれない、治っても身体に障害が残る可能性がある、長い治療期間が必要、医療費がかかる、大切な時間を治療に費やすことになるなど

ー時間の損失にフォーカスすると

人格形成に大切な時間を失う、友達をつくる時間を失う、遊ぶ時間を失う、いろいろなものに興味をもつ意欲を失う可能性がある、学びの時間を失うなど

ー身体障害の損失にフォーカスすると

やりたいと思ったことができない損失、特定分野への興味を失う可能性がある、行動範囲が狭まる可能性があるなど

ー絶命の損失にフォーカスすると

遺族・関係者の悲しさ、喪失感、戻らない、加害者意識など

ー気持ちにフォーカスすると

やってしまった感、背徳感、罪悪感、逃げ出したくなる気持ち、虚無感など

ートラウマにフォーカスすると

2度と包丁は持てない可能性、料理をすること自体が怖くてできないなど

ー親の気持ちにフォーカスすると

苦しい、悲しい、後悔、背徳感、罪悪感、もうさせたくない思い、心配、不安、取り返しのつかない虚無感、喪失感など

 

●切り傷を負う

●切り傷を負わせる

ー外傷にフォーカスすると

 痛い、血が出る、皮膚が切れて傷口に細菌が入って膿が出る可能性、しばらく動かせないなど

ーこどもの気持ちにフォーカスすると

痛い、怖い、びっくりした、どうしよう混乱、どうなるかわからない不安、手を切ると痛いんだという気づきなど

ー親の気持ちにフォーカスすると

痛そう、びっくりした、心配、何かしてあげたくなる気持ち、もっと大きな怪我をするんじゃないかという不安、もっと大きな怪我に繋がらなくてよかった安堵など

 

さっき103こ書いたので疲れてはしょりましたけど、さっきよりは危険と影響を考えられましたか?^^

このような危険の探究は親にとっても、保護者にとっても、学校の先生にとっても、クックルーをつくる僕たちにとっても大切で皆がこの探究をしていることが大切です。

自分が探究すべきことをお金を払って誰かに丸投げするのはよくない。

こどもも大人を見ています。

お金で責任を丸投げする大人になったら責任をかぶらないでいいから楽だし、痛みがないし、損失もなくて済むという大人を増やさないためにも大人一人一人がしっかりと危険の探究と向き合うことをお勧めします(Φ皿Φ)クワッ

 

ー火と包丁を使うことで得られる23このこと

今度は火と包丁を使う危険の先にあることを伝えましょう。

前項のように大人がどれだけ危険と影響を探究して伝えるかが大事で、これだけの危険と影響を伝えられれば、小学生くらい言葉がわかる年齢ならば使わないほうがいいのではないかと感じるかもしれません。

それだけでは危険を伝えただけで、火や包丁の意味や価値やつくれるモノを伝えなければ大人としてこども達に広い世界を生きてもらうには不十分です('-'*)

次に火と包丁を使うことで得られることをこどもに伝えてみましょう。

何がありますか?

*シンキングタイム〜♪(さっきより短め^^笑)

●火と包丁を使って得られること

ー調理として得られる結果

火を通さなければ食べられないモノもあり食べられるモノが広がる、火を通して柔らかく調理することで乳児やお年寄りにも食べられる、殺菌効果があり安全に食べられる、水分を切り方や火の通し方によって美味しくなるなど

ー教養として身につくこと

衛生について知る、切り方によって空間と成形について知る、長さ重さの感覚がつく、ひと口大に切るなど想像力がつく、温度について知る、化学への探究心がつく、物理的力学を感覚的に学ぶ、デザインの感性など

ー心の成長

注意深さが養われる、慎重さの感覚を知る、丁寧さ、正確さ、根気強さ、危機管理意識がつく、怪我をすることによって痛みを知る、危険なモノを取り扱う責任感が養われる、切り方で設計と想像力が育つ、観察力がつく、上手になると自信がつくなど

 

まだまだたくさんこどもが成長してからも、自分らしく暮らすために必要なチカラを教えてくれる「教材」となると考えています。

どうですか?('-'*)

危険はありますが、これだけの素晴らしいことがあるとしたら、火や包丁を使ってみてもいいと思えましたか?まだ思わない?それならもっと挙げてみましょう(^o^)/笑

 

こどもに伝えるときも危険さを十分に伝えた後に、

火や包丁を使うことで得られる素晴らしいことを一緒に伝えましょう。

それでも火や包丁を使ってみたい。

そう思えたなら、今度は危険を限りなく減らすための練習です^^

安全な方法を知り、繰り返していれば、個人差はありますが誰しもが限りなく危険を減らすことができると僕は考えています。

何より僕自信が不器用が服を着て歩くような男ですからヾ(o´∀`o)ノ笑

 

◆危険との関わり方は3つ。 想定と予防と対処

今度は危険を扱いましょう(Φ皿Φ)クワッ

ここは大人の出番です!っていっても怖い顔しないで楽しくやりましょうヾ(´▽`)ノ

危険との関わり方は3つです。

想定、予防、対処です。順に行きましょう♪

ー想定1>起きうることを全て想定する

起きうることを全て想定します。

東日本大震災のとき、原子力発電所では重要な設備を低い位置に設置していたと言われています。

本来厳重にリスクマネジメントしておくべき設備をあえて高い場所に設置せず、低い位置に設置したことに対しては

「6m以上の波がくることを想定していなかった」という発言があったことは記憶に新しいですね。

これは一橋大学の古沢先生に博多でラーメン食べながら雑談で聞いた話ですがヽ(´~`ボクハワカリマセン

「危険を想定する」ことの大切さを知った瞬間、僕は「ナルホド」と思って替え玉を頼みました。

 

親が、大人が、先生が、クックルーでは僕たちが、こども達が料理を学ぶ環境の中で起こりうる想定をしておくことが大切です。

99.999%起きなくても、起こりうることは書き出しておいて損はありません(^o^)/

どんな危険が想定されるでしょうか。

 

●火が燃え移ること

●火で致命的な火傷をすること/させること

●熱で火傷をすること/させること

●包丁で致命傷が起きること/させること

●包丁で切り傷が起きること/させること

他にも

●はしゃいでいたらぶつかって眼底や鼻など急所を打撲する

●転んだ先に尖ったものがあって刺さる

●ピーラーで指の皮を傷つける

●フードプロセッサーの刃で指を切る

●熱いフライパンを気づかずにさわる

●油がはねる

●油が床にヌルヌルして転んで頭を打つ

とにかくたくさん挙げましょう。お父さんも面倒くさがらずに一緒に考えましょう!

これだけの危険が99.999%起こることがないかもしれないけれど、起きる可能性があるということを知っておくことと知っておかないことではえらい違いです。

 

ー想定2>想定について立場や価値観が違う人と意見交換する

次に想定したことを、立場や価値観が違う人と意見交換することです。

お父さんならお母さんに聞くといいでしょう。

料理の先生という立場の人に聞いてもいいかもしれません。

心配性な隣人の理系の大学生に聞いても新しい観点があるかもしれません。

封建的・保守的な親戚のおじさんに聞いてもいいかもしれません。

とにかく立場や価値観が違う人と話すと想定外のことがどんどん出てくる!

想定外のことを出すのが目的ですよ〜ヾ(´ω`=´ω`)ノ

 

ー予防1>こどもが適切に行動できるように教える

こどもが適切に行動できるように教えるには、まず初めて使う場所や道具については危険についてアナウンスしましょう。

危険と影響の探究を思い出して!あなたの探究が浅いと「なんとなく」でしか伝わらないので注意です。

なんとなく伝わったらこどもも「わかってない」のでいくら”禁止”で縛っても禁忌を犯すことが必ずあると心得ておくと良いでしょう。

未成年のタバコがいい例です。タバコが健康に悪い、早死にする、何て言われても全然説得力がないでしょう。

タバコの危険についての探究が浅い大人がいくら”禁止”して縛っても隠れて禁忌を犯すこどもは今の時代も後を絶ちません。

本来成長すべきは大人達なのです。

 

ー予防2>怪我の練習をする

怪我の練習、それは怪我をすることです。

自転車の練習をしたとき、一度も転ばずにスイスイ乗れるようになった大きなお友達はいるかな〜?

スノーボードやスキーのときは山側にお尻をつく練習をしませんでしたか?

サーフィンやヨットでもいいかもしれない。僕はやりませんが。

柔道なら受け身からやるのは大怪我をしないため。

転ばなきゃうまくなれないんです。

 

スノーボードでも、はじめは怖いなぁと思いながらちびちびと転びながら進んでいき、しばらくして転んでもOKなことを認められるようになったら、少し大胆に挑戦できるようになって感覚を掴んでいくものですね。

料理においては最初からカボチャかカツオみたいに硬い皮のものを切ったら、力んで手元が狂って大怪我した〜なんてことが起きます。

それよりきゅうりや玉ねぎみたいに、多少繊維感があって柔らかいものを切るときは力がいらないので指を切っても大きな怪我にはつながらないのです。

大事なのは大怪我をしないこと。

1発の大怪我を防ぐためなら1000回だって小さい怪我をすれば絶対大怪我しないでうまくなるんです。

実際やってみるとわかるけど100回も包丁で指切らないし火傷もしません!

 

ー予防3>壊れてもOKなお皿を使う

壊れてもOKなお皿を使いましょう。小さいこどもは同時にいくつものことに危険のアンテナを広げておくことができません。

こどもが料理をするときは危険なものは火と包丁だけに集約させておくべきです。

 

例えば煮物をしているときに、ガラスの器を落として割ってしまった。

焦ってひろっていたら片手鍋のとってに頭がコンと当たってアツアツの煮物をかぶることになったらさすがにダチョウ倶楽部の上島さんでも悶絶するほどの火傷につながります。

火と包丁以外に危険の注意がそれてしまいそうなアイテムは用意しておかないのが得策です。

 

ー予防4>家族との情報交換やコミュニケーションを日常的に

学校やクックルーのようなデイサービスで料理をする際には、家族との情報交換やコミュニケーションを日常的にしておくことも危険の予防になります。

それはこどもがどんなときにどんな行動をするのか、家で家族といるときのほうが素の自分でいることが多いのである程度想定することもできます。

あとは問題が起きたときに、判断と対処を任せられる信頼関係も大切です。

緊急事態には親と担当者の連絡がなかなかつかないときもありますが、担当者との信頼関係があれば心を鎮めて、今手を打てる人の判断を信じるという対処も的確かもしれません。

 

ー予防5>危険の呼びかけに「タグ」を活用する

この「タグ付け整頓術」は"整頓の鬼"と呼ばれたGOさんのお掃除奥義の一つです。

タグ付けとは、こどもの体操着に名前を書くアレです。

新品の洋服を買うときに洗濯の方法を確認するときのアレです。

これが誰のものか、何に使うのか、何を入れるのか、どう扱うのかを記しておくことで使う人が都度安全確認をセルフチェックできる画期的なシステムです。

 

GOさん流お掃除奥義には「空間タグ付け」という秘伝があり、

空間そのもののタグを貼り付けて、置き場を決めるテクニックがあります。

こうすると在るべきモノが在るべき場所にちゃんと戻ってくる。

文字にすると当たり前に感じるかもしれませんが、7割以上の社会人が苦手なことだと僕の感覚では思っています。

 

話はそれましたが、危険のあるフードプロセッサーやピーラーの置き位置には必ず安全操作のタグを付けておきます。

フードプロセッサーの刃を持ち上げるときに手を切りやすいよという注意をイラストにしたりマークにして伝わりやすくデザインします。

怪我が起きやすいアイテムについては虎テープを貼ると目印になります。

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危険な場所には虎ロープが張ってありますね。

画像検索すれば死ぬほど出てくるので、誰にでも一目でわかるユニバーサルデザインとして取り入れると便利と思います^^

こうなると怪我につながるよという想定を、記憶に刷り込む効果もあります。 

 

ー対処1>異変があったときにすぐに対処できる人員配置

これまでは想定を予防に生かしてきました。

しかし予防しても起こることはあります。

例えばコンピューターウイルスっていくら予防していても入ってくるものです。

予防ができるものは、抜け道もできる、表裏一体なのです。

予防だけでは防げない事態には、対策を敷いておくことで被害を最小限に抑えて復旧までの時間を最短にすることができます。

他には、エクセルのファイルが落ちないようにいくらPCのメモリを軽くしてもPC落ちるときは落ちるんです。

問題が起きてもすぐに復旧できるように2分に1回保存しておくことが対策です。

 

話を戻すと、異変が起きたときにはすぐに対処できる人員配置を置くことです。

これは介護デイサービスのオーナー社長をされていた地元中学校の大先輩であり飲み仲間の関口さんから聞いた話です。

デイサービスはお年寄りのオープンスペースになっていますが、常時3名のスタッフをつけているそうです。

法律では2名以上つければOKなのですが、1名をお風呂に入浴にエスコートしたり、お手洗いにエスコートすると必然的にスタッフは1名で全体を見ることになります。

すると見通しが悪いし、万一何かあったときにもう1名のスタッフが対応している間に事故が起きる可能性もあります。

つまずいて骨折してしまったらスタッフが足りません。

 

僕はこの話を聞いて、クックルーは3名がいるようにしておきたいと思いました。

包丁と火は常に全員が使うものではなく、1箇所ずつに集中させておきますが、キッチンで怪我をするものは包丁や火ばかりではありません。

それにお友達がたくさんいてテンション上がる場所こそ怪我はよくおきます。

僕も体育の時間や放課後にしょっちゅう捻挫骨折突き指していたので(心身ボロボロか)

体育の自由時間にジャングルジムのどれだけ高い所から飛びおりられるかっていう遊びをしていて、一番になったのですが人生初骨折したのは小三のときです。バカですね〜。こどもってそういうもんじゃないですか。骨折は痛いけど、飛びおりの限界を知ることができました。授業中でしたが学校の先生には一切恨みはないし、バカなことしたけどやらなきゃわかんないよね〜ヾ(o´∀`o)ノ

 

ー対処2>問題が起きたときのコミュニケーションライン

想定外の問題はおきるという想定が大切です。

そのためのコミュニケーションライン、言ってみれば連絡網と繋がりやすさと連携を一言で現す言葉です。

 

まずは当事者に聞きます。「何があったの?」

誰かが失踪したならば当事者と近いこどもに聞くといいと思います。(もはや包丁も火も関係ないけど起こりうる想定の一つとして)

 

次にクックルーならスタッフに連絡します。

対応する人間が問題案件によって変わるので、緊急度のレートを作っておくといいかもしれません。

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ABCDEの中で

A▶︎サービス管理責任者、管理者、親、学校に連絡

B▶︎サービス管理責任者、管理者、親に連絡

C▶︎サービス管理責任者、管理者に連絡

D▶︎サービス管理責任者に連絡

E▶︎指導員が対応

コミュニケーションのルートが瞬時にわかるので明確で迅速ですね。

日誌にもレートを書けば完結で明確に対処がわかるので便利です。

 

ー対処3>怪我や病気が起きたときの提携医療・看護施設

怪我や病気が起きたときの提携している病院、整骨院があると安心です。

例えば切り傷では指導員が対応して終わりですが、大きな怪我や発作などが起きたときには直通の電話が繋がって明確な指示を送っていただけるような病院があるとすぐに的確に対処できます。

このように周辺施設とのコミュニケーションもとっておくことが大切と考えています。

病院▶︎

大きな怪我や発作など、車、タクシーの経路も含めて確認しておく。

専門医▶︎

骨折や捻挫なら整骨院や整形外科

疾患なら内科や呼吸器科など

保育士派遣▶︎

指導員スタッフが病気で欠員したときなどに保育のプロを派遣していただけるサービス

 

ー対処4>危険があったときのこどもとの関わり

危険が起きたときのこどもとの関わりはとっても大事です。

「危険と影響」のセクションでも出ましたが、問題によってつくられる体験のトラウマのようなものがつくられることがあります。

 怪我をしてしまったことで、自分は料理の才能がないのだろうかという考えがふと湧いてきたり、不器用なんじゃないかという疑念が浮かんできます。

ふとしたきっかけで魔が差すことはどんな大人にも起こり得ますが、こどもと関わる際にはやはり「こどもが広い世界で自分らしく生きられるように」関わりたいものです。

 

こんな関わり方を見たことがありませんか?

大人「あ、◎◎ちゃん怪我しちゃったんだ。痛いね〜。休んでてもいいよ?休む?」

こども「うん」

 

このように大人がグイグイこどもの選択をせがむときは要注意です。

何かあったら抜けてもいい、やめてもいい、という諦め癖がついてしまう可能性があります。

または痛いのはいけないこと。という価値観をこどもに植えつけられてしまうと、大人になっても痛みをともなうチャレンジに足が進まなくなる可能性があります。

周りのこどもから見ても、痛いと休めるというゆがんだ解釈が刷り込まれるかもしれません。

どれもこどもが成長して、自分らしく生きていくには邪魔な価値観になる可能性が考えられます。

このように大人はこどもをしっかり見て、かける言葉を選ぶ必要があると僕は考えます。

 

クックルーではどのように声をかけるでしょうか。

指導員「◎◎ちゃん、怪我しちゃったんだね。どうしたの?」

こども「包丁で指切っちゃった」

指導員「そっか。切っちゃったんだ。今どんな気持ち?」

こども「痛い」

指導員「そっか、痛いんだ。他にはある?」

こども「うーん、悔しい」

指導員「悔しいか。そうなんだ。他には?」

こども「勢いよく切って指まで切っちゃった」

指導員「なるほど、そっか。他にはどうかな」

こども「次はもっとゆっくりやってみる」

指導員「オッケー。じゃあまず止血しようか」

こどもの伸びようとする気持ちを大人が邪魔しないように関わります。

 

クックルーのスタッフはコーチングというコミュニケーションの研修を受けているので、こどもの前向きな力を生かした関わり方をします。

興味がある方は岸コーチの子育ての本は参考になるかもしれません。

岸コーチは「人間の価値観の枠組み」を扱って前進につなげる専門家です。 

「ほめない子育て」で子どもは伸びる

「ほめない子育て」で子どもは伸びる

 

 

以上、こどもと危険と予防対策について書きました。

ご家庭で、教育の場で、ワークショップなど開催される方がいたらお役に立てていただけましたら幸いです。

 

最後にクックルーでは1月開設、3月オープンの事業所でスタッフを募集しています。ただいまGOさんは事業所の認可と資金調達に駆け回っておりますヾ(o´∀`o)ノ

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