クックルーの療育〜料理療育で引き出される39の資質と才能〜
はい、天才こども料理塾クックルーのGOさんです。
障害福祉の世界では「療育」という概念があります。
◆療育ってなに?
食育と同じように、造語です。
東京大学の高木憲次教授が「療育論」を昭和17年に発表しました。
公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センターさんから引用すると
「療育とは現代の科学を総動員して不自由な肢体をできるだけ克服し、それによって幸いにも回復したる回復能力と残存せる能力と代償能力の三者の総和(これを復活能力と呼称したい)であるところの復活能力をできるだけ有効に活用させ、以て自活の途の立つように育成することである」
つまり、療育本来の定義は自活の道に立つように育成することです。
◆クックルーの考える療育
クックルーはこどもがワクワク料理を楽しんでいたら、才能資質が引き出され、自分らしく暮らす力が身についていた、という未就学児〜高校生までの障害児童デイサービスです。
クックルーの考える療育について今日は話したいと思います。
◆料理を通して楽しく、才能資質を引き出す
クックルーが提唱する「自分らしく暮らす3つの力」はこちらです。
感動>美味しい、嬉しい、幸せなど感情を表現する
感謝>どれだけの時間や手間や気持ちが込められて食がつくられているのか知る
痛みを知る>人に包丁を刺したら痛がるだろうな 外傷の痛み、心の痛みを知る
この3つを感じとる資質が大切です。
さらに料理をすることで、チャレンジ精神、創作意欲、戦略や戦術を組み立てる、失敗を受け入れる器、探究心、コミュニケーション力、観察力、計算力、読解力、注意深さ、慎重さ、危機管理能力、公平性、指先の力、整理整頓の習慣、衛生観、時間管理、効率性の意識、味覚、異文化を受け入れる寛容な器量、好奇心、計量のトレーニング、健康維持の習慣、相手をみて尊重する心配り、段取り、季節感、役割を引き受ける、リーダーシップ、責任感、自炊して生活する力、お金の使い方と価値、食材の作り手の仕事の価値を感じとる、食材のつくられる文化風土や背景、習慣や文化の多様性に気づき認める器、調べたり実験する習慣、スープやお盆を運ぶ時などバランス感覚、色やデザインのセンス、手先の器用さ、空間認識能力などなど
他にも時間があればあと10倍くらい書きたいところですが、これだけたくさんの物事に気づいたり、自然と学んだり、集団の中で役割を見出すことがあります。
集団の中で自分を見つけることって、自分の個性やオリジナルを見つけたり、自分らしく生きるためのキッカケになりますよね。
◆療育を通して、お母さんが健康でいることをつくりたい
クックルーは料理療育を通してこどもが自分らしく暮らす力を身につけ、お母さんが健康でいることにつなげたいと考えています。
お母さんが病気になった時、家全体が真っ暗くなりませんか。
お母さんって家の中で、太陽のような存在と思うんです。
影響はこどもやお父さんだけでなく、家族とつながる人全てに及びます。
日本中の家庭のお母さんが健康で輝いていたら、どれだけの人が救われるだろう。
クックルーを運営するFCFの理念は「大切な人との暮らしをもっと楽しく」です。
療育を通してこども、お母さん、家族全員の暮らしが素敵になったら素晴らしいと思います。
クックルーに通って料理を一人でも安全につくれるようになったら、ぜひお母さんの料理を手伝える子になってほしいなと思います。
貢献することに障害がある/ないは関係ない。
障害がある子も人を助けたり、手伝ったり、心の支えになることが当たり前にある、そういうもんだと思います。
貢献は最高の自己表現、と僕は師匠に教えられたことがあります。
貢献ができない人間として育ってしまったこどもは不幸です。
なんでもやってもらうのが当たり前になると、自己を表現する翼を奪ってしまうようなもの。
貢献による相手への力付け、相手からの感謝と承認による自分への力付けは相互に力づけ合う最高なコミュニケーションです。
僕の友人で重度の障害を持つ人もいますが、クックルーをつくるにあたり、素晴らしい人を紹介頂きめちゃくちゃ助けていただいていて、とても力づけに感じて感謝しています。
社会に障害者も健常者も差別なく、支え合う社会をつくること、それがクックルーのつくりたい世界です。